パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)
パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)について
パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)は1839年に創業。オーデマ ピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンと並び、「世界三大時計ブランド」と称されている時計ブランドです。
現存しているブランドの中で、一度も歴史が途切れずに経営が続いてきたブランドとしては、最古の時計ブランドと言われています。
創業時から現在まで変わらず「世界最高の時計をつくる」ことを目指しており、それを体現する最高峰の複雑時計を生み出しています。
なかでも、1989年に発表された「キャリバー89」は、1728のパーツと33の複雑機構で構成されたグランドコンプリケーションを極めた時計です。
また、100以上の特許技術を創出しており、時計製作技術のパイオニア的存在としても、その地位を確固たるものとしています。
ムーブメントの部品や製造、組み立てを一貫して行うマニュファクチュールであり、熟練の職人による手作業での世界最高水準の時計を生み出しています。
そうした製造工程を経ていることから、年間数本から数百本しか製造できず、希少性の高い時計でもあります。
当然、品質も世界トップクラスであり、すべての機械式時計に「パテックフィリップ・シール」を刻印しています。
これは、厳しい品質基準を掲げる「ジュネーブシール」を上回る独自基準のことで、パテックフィリップの「最高峰の時計」を追求する飽くなき姿勢そのものです。
更にその姿勢は、「永久修理」という体制にも現れています。
一般的な時計ブランドでは、生産が終了したモデルは修理対応を受け付けない体制を取っていますが、パテックフィリップでは、自社の製品であればいつの時代のものでもメンテナンスと修理を永久に対応しているのです。
パテックフィリップは、「時計は世代から世代へと受け継がれていくもの」と考えており、そういった考えが永久修理という体制や、親から子へ継承される広告などにも現れています。
パテックフィリップには、ノーチラスやアクアノートといったラグジュアリースポーツウォッチをはじめ、「ドレスウォッチの完成形」と称されるカラトラバや、芸術的な美しさを持つグランドコンプリケーションなどがあります。
高い時計技術による開発力はもちろん、七宝を施した文字盤や職人の手作業による精緻なハンドクラフトなど、時計の美しさも体現し続けています。
前述の人気モデルをはじめ、他にもゴンドーロやゴールデン・エリプス、トゥエンティフォーなどさまざまな時計がラインナップされています。
パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)のノーチラスについて
パテックフィリップのノーチラスは、1976年に誕生したブランドを代表するラグジュアリースポーツウォッチです。
潜水艦「ノーチラス号」の船窓からインスピレーションを受けたデザインで、名前もここに由来しています。
ノーチラス誕生時、高級腕時計といえばゴールド素材のドレスウォッチが主流の時代で。
しかしパテックフィリップは、ステンレススチールの素材に120mという高い防水性を備えたノーチラスを発表し、一躍注目を集めました。
ノーチラスのデザインを手掛けたのは、「時計界のピカソ」と称されるジェラルド・ジェンタ。オーデマ ピゲのロイヤルオークのデザインを手掛けた時計デザイナーとしても知られています。
同じデザイナーのため、現在でもロイヤルオークとノーチラスは、比較対象として見られることが多くあります。
そんなノーチラスですが、ロイヤルオークにはない特徴として高い防水性、そしてそれを実現するために設けられた左右の「耳」と呼ばれる突起が特徴です。
潜水艦をモチーフしていることからも分かる通り、海での使用を考慮して作られています。
当時、高い防水性を実現するためにはねじ込み式のスクリューバックを採用する構造が一般的でしたが、ノーチラスは防水性とともに「ケースの薄さ」も実現する必要がありました。
なぜなら、スポーツシーンだけでなくスーツにも合わせる「ラグジュアリースポーツウォッチ」を目指していたからです。
防水性と薄さを実現するために採用されたのが、当時としては斬新な2ピース構造のケース。
ベゼルとケース本体に加え、裏蓋があるのが一般的ですが、2ピース構造はケース本体と裏蓋を一体型にすることで、厚みを抑えています。
そしてこの2ピース構造を実現するために、左右に「耳」を設ける必要がありました。耳を噛み合わせビスで固定することで、薄型でありながら高い防水性を備えることに成功したのです。
現在では、2ピース構造から3ピース構造へと変更されていますが、「耳」はノーチラスを象徴するデザインとして現在も受け継がれています。
ノーチラスは、近年とくに価格高騰が著しいモデルとして知られており、モデルによっては中古相場では定価の2倍以上になっていることも珍しくありません。
ノーチラスは、優れたデザインと機能性、そして資産性の面でも優れているモデルと言えます。
パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)のカラトラバについて
カラトラバは、世界三大時計ブランドとして知られるパテックフィリップの代表モデルです。
「ドレスウォッチの完成形」と称されるモデルであり、長年ドレスウォッチのトップとして君臨し続けています。
カラトラバという名前は、12世紀に誕生したスペインのカラトラバ騎士団に由来しており、パテックフィリップのエンブレムも、カラトラバ十字をモチーフとしたものです。
このカラトラバ十字は、「勇気」「礼節」「独立」という騎士に不可欠な資質を象徴しており、カラトラバはこの品格を体現したモデルと言えます。
カラトラバが誕生したのは、1932年。登場してから現在に至るまで、フォーマルシーンに最適な究極のドレスウォッチとして、セレブや世界王室の方たちに愛されています。
しかし、実はこの当時パテックフィリップは1929年に起きた世界恐慌の煽りを受けて、経営難に陥っていました。
創業時から続いた家族経営が初めて売りに出され、ファブリーク・デ・カドラン・スターン・フレールが買収します。
それをきっかけにシンプルかつ洗練された時計が製作されました。
こうして誕生したのが、カラトラバのRef.96。「クンロク」の愛称で知られる初代モデルです。
その魅力は、時代に左右されない洗練された美しさ。明瞭なラインに立体的で近世がとれた文字盤など、「腕時計の本質」を追求した優れたデザインを体現しています。
カラトラバは、誕生してから90年以上に及ぶ歴史の中で、25種類以上の派生モデルを生み出しています。
モデルの違いを認識するには、「ムーブメント」と「ラグ・ベゼルの形状」、「文字盤のデザイン」を把握しておけば、わかりやすいでしょう。
「ムーブメント」は、手巻き式の2針が基本で、一部モデルには日付表示や自動巻きムーブメント、クォーツムーブメントを採用しているものもあります。
ケースとベルトをつなぐ役割を果たす「ラグの形状」は、流線型ものと真っすぐ伸びたものの2種類。
カラトラバの礎となったモデル、Ref.96では流線型のラグが採用されており、ストレートラグは、よりクラシカルな雰囲気を感じられます。
ベゼルは、丸みをもたせたタイプと平らなフラットタイプ、そして彫りや宝石などで装飾されたタイプがあります。
また、文字盤のデザインも基本はシンプルなバーインデックスですが、ローマンインデックスやアラビアインデックスなど、複数の種類が存在します。
ケースサイズは時代によって変わっており、昔は31mmのサイズが主流でしたが、現在では37mmや39mmのサイズが主流です。
ぜひ皆さんのお好みのカラトラバを探してみてください。
パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)のアクアノートについて
アクアノートは、ノーチラスに並ぶパテックフィリップを代表するモデルであり、1997年に誕生すると同時に大きな話題となりました。
1932年のカラトラバや1976年のノーチラスと比べると、新しいモデルであるアクアノートは「スポーツ・エレガンス」をテーマに作られており、ラグジュアリースポーツウォッチとして他のモデルとは異なる独特の美しさを備えています。
ノーチラスから継承されたベゼルにさらに丸みを加えたデザインが特徴。文字盤にはアラビアインデックスが採用され、より現代的な仕上がりとなっています。
ベルトには、防水性や牽引耐性、紫外線耐性に優れた複合素材「トロピカルバンド」を採用。これにより堅牢性と快適な着用感を両立しました。
また金属素材ではないため、金属アレルギーにも配慮されています。
アクアノートは、初代モデルRef.5060と第2世代モデルRef.5065、そして現行モデルRef.5167の3つに大別できます。
初代モデルのRef.5060は34mmのケースサイズで、40mm前後のサイズが主流の現在から見ると小さめのサイズ感が特徴です。
生産期間が1年ほどしかないため、本数が少なく希少モデルとしても知られています。
2代目のRef.5065ではケースサイズが38mmになり、一気に現代のニーズにあったサイズ感へと変わっています。
また裏蓋がシースルーバックになったことで、パテックフィリップの美しいムーブメント装飾を鑑賞できるようになりました。
現行モデルのRef.5167は、ケースサイズ40mmで一番大きく、文字盤のデザインもいくつか変更点が見られます。
この3つの基本モデル以外にも、ローズゴールド素材を使ったモデルや、GMT機能を備えたアクアノートトラベルタイム、レディースモデルのアクアノートルーチェなど、さまざまなモデルがあります。
ぜひ皆さんのお好きなアクアノートを探してみてください。
パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)のワールドタイムについて
ワールドタイムは、パテックフィリップの強みである複雑機構を搭載した、ブランドの人気モデルです。
パテックフィリップが生み出した複雑機構としても知られており、「世界各国の主要都市の時間がひと目でわかる」という点以外にも美しいデザインなど、さまざまな魅力があります。
パテックフィリップが、ワールドタイムに着手し始めたのは1930年代と言われています。現在ではコンピュータの発展により、瞬時に世界中の時間を把握できますが、当時はまだそんな技術はありません。
そんな中でも、時計師ルイ・コティエとパテックフィリップは、世界初となるワールドタイムを搭載した腕時計を作り上げました。
このワールドタイムは、世界の主要都市の時間を表示しながら、シンプルな操作性と高い視認性を実現。
簡単に操作できる優れた実用性が評判となり、ワールドタイムは一躍人気を集めました。
1950年代になると、航空技術が発達し富裕層の間で海外旅行が流行します。これにあわせて、ワールドタイムやGMT機能を持つ時計の需要が高まりました。
1959年のRef.2597では、2つのプッシュボタンを操作することで時針のみを操作する機構を、1962年には現在のワールドタイムの原型とも言われるRef.2597HSが登場しました。
2000年に登場したRef.5110によって、ワールドタイムは再び大きな進化を遂げます。この前年に取得した特許で、時針や24時間表示のリング、都市名を表示したリングを一つのプッシュボタンだけで操作できる画期的な機構を搭載したのです。
このRef.5110は、現行モデルに至るまで基本的な機構を受け継いでいますので、機能性を求めるのであれば、2000年以降のモデルから選ぶと良いでしょう。
2000年登場のRef.5110、2006年登場のRef.5130、そして2016年に登場した現行モデルのRef.5230が基本モデルとしてあり、一つのプッシュボタンで操作できる点は同じですが、ケースサイズや使われている素材、文字盤のデザインなどが異なります。
世界の主要都市を確認できるという実用的な機能はもちろん、パテックフィリップが誇るギョーシェ彫りをはじめとした装飾技法やデザインの美しさも大きな魅力です。
カラーバリエーションや素材なども複数展開されているため、ぜひ皆さんのお好きな1本を探してみてください。