世界的な知名度とブランド力を持つエルメスのバーキンですが、価格が高いことでも有名です。
ではなぜバーキンの価格が高いのでしょうか?
この記事では、エルメスのバーキンの価格が高い理由や値上がりしている理由、定価の比較まで解説していきます。
最後までご覧いただければ、なぜエルメスのバーキンの価格が高いのかが分かり、購入時の参考になりますよ。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で青山表参道店の店長として勤務。高級ブランドの旗艦店が立ち並ぶ表参道エリアにおいて、お客様の立場に寄り添った丁寧なヒアリング接客を武器に活躍。日・英・仏の3か国語を操り、国内だけではなく海外のお客様からの信頼も厚い。
目次
バーキンはどんなバッグ?
バーキンは、用途に合わせたサイズ展開と品質の良さが魅力のバッグです。
エルメスを代表するバッグのひとつで、希少性の高さからかなりの高値で取引されています。
誕生は1981年、エルメスの社長ジャン=ルイ・デュマはロンドン行きの飛行機の機中で、女優にして歌手のジェーン・バーキンと隣になります。
その時ジェーン・バーキンは、今にも荷物が溢れ出しそうなカゴバッグを持っており、それを見たジャン=ルイ・デュマが「荷物がたっぷりと収納できるバッグをプレゼントする」と約束しました。その約束から作られたのが、バーキンです。
現在では世界最高級のバッグですが、そんな誕生秘話があったなんてロマンチックですよね。
次の章からエルメスのバーキンがなぜ高いのか、さまざまな理由から解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。
エルメスのバーキンはなぜ高いの?
エルメスのバーキンの定価は、安くても100万円以上と非常に高価なバッグとして知られています。
なぜそこまで高いのか、9つの理由から解説していきます。
技術力のある職人による手作りだから
エルメスのバーキンは1人の職人が、最初から最後まで全ての工程を担当し、手作りで作っています。
そのため1つのバッグを製造するのにかなりの時間と労力をかけているため、値段が高くなっているのです。
1つのバーキンを作るのに48時間以上要すると言われており、年間の生産数は1万2000個ほどとかなり少ないです
また、エルメスのバーキンは全て手作りのため、エルメスの製品には型番が存在しません。
そのため現代のアルチザンと呼ばれており、他のハイエンドブランドとは別格の存在なのです。
高品質な素材を使用しているから
エルメスのバーキンの素材には、世界的な一流パーツが使われています。
素材を出し惜しみせずに良質な部分のみを使ってバッグにしているため、値段が高くなっているのです。
エルメスの製品に使われている革素材の数は約20種類で、覚えるだけでも一苦労です。
バーキンだけでもシリーズによって使われている革の種類が違うので、今回は3つ絞って紹介していきます。
トゴ
トゴとは雄の仔牛の革のことで、牛革の中でもっとも希少性が高いです。
エルメスのバーキンをはじめ、さまざまな製品に使われています。
正式名称は「ヴォー・クリスペ・トゴ」です。
特徴としては「グレイン」と呼ばれる表面に細かく深いシワがあることが挙げられます。
グレインがあることでキズや擦れに強くなります。
またトゴには柔軟性があるため、バーキンの様に収納力が高いバッグには最適の素材と言えますね。
シェブルミゾル
シェブルミゾルとは、体格の小さな雌山羊から作られる革です。
そのため、主に小物を中心に使われている革ですが、サイズが小さめな「バーキン25」でも使用されています。
特徴としては軽量かつ丈夫な点が挙げられます。
またキズや擦れにも強く柔らかさもあるため、日常使いに適しています。
アリゲーター
主にアメリカのミシシッピ川に生息する、アリゲータの革使った素材です。
ワニ革をはじめとする爬虫類の素材は、数が少なく希少性が高いため、高級品として取り扱われています。
特徴としてエルメスのアリゲーターは、班をめのうで磨いた「リセ仕上げ」という加工が施されています。
それにより革に光沢が生まれ、ラグジュアリーな雰囲気を味わうことができます。
ブランドの歴史が長いから
エルメスの製品は、長い歴史によるブランド力と信頼があるため、価格が高騰しています。
はじまりは1837年にティエリー・エルメスが馬具工房として立ち上げたことで、180年以上の歴史があります。
180年の歴史の中には、不況や第2次世界大戦など苦しいも時代あり、それを乗り越えたからこそブランド力と信頼が築き上げられてきました。
さらにエルメスは、6代にわたる一族経営(パトリック・トマだけ例外)を続けている稀有なブランドで、伝統を守り重んじているブランドでもあります。
需要が非常に高く入手困難だから
エルメスのバーキンは職人による手作りのため、生産量が少なく需要に対して供給が追いついていません。
年間の生産数は1万2000個ほどで、1店舗に割り当てられる個数は年間約40個になります。
そのため入荷してもすぐに売り切れてしまうので価格が高くなっています。
購入後のサポートが充実しているから
エルメスは世界12か所にアトリエを設けており、高度な技術を持つ修理職人が、ステッチ補修やバッグのファスナー交換などをしてくれます。
また、所持するバッグの刻印からバッグを作成した職人を割り出し、その職人が直接修理を行ってくれるなどのアフターケアが受けられます。
このように購入後も長期間に渡って手厚いアフターケアがあるため、人件費なども含めてエルメスのバーキンは価格が高くなっています。
生産数が少ないから
エルメスのバーキンは、全ての工程を1人の職人が担当し手作りで作っています。
そのため作れる数に限りがあるので、価格が高くなっています。
中古市場でも流通数が少ないから
エルメスのバーキンは、入手難易度や耐久性の高さから一生ものとして購入する方が多いです。
そのため売る人がほとんどいなく、中古市場でも流通数が少なくなっています。
もし中古市場で出回っていたとしても、正規店での購入が難しいため、定価以上で取引されることがあります。
エルメスの優先顧客にならなければ購入できないから
エルメスのバーキンが入荷するタイミングは半年に1回ほどと言われており、正規店であっても購入できる店舗は限られています。
もし入荷しても多数の人が購入を希望するため、購入するにはまずはエルメスの顧客になる必要があります。 顧客の中でも、購入回数が多い優先顧客から紹介されていくため、優先顧客でないとバーキンの購入は難しいです。
優先顧客になるには、エルメスで数百万円の購入実績が必要と言われています。
しかし優先顧客になって購入の機会を得たとしても、希望の素材やカラーを自由に選択することはできません。
そのため欲しいモデルに巡り合うには、かなりの運が必要なのです。
またエルメスのバーキンは、年間で購入できる数が1人2個までと決められています。
さらに2023年10月から、顔つきの身分証明書が必要になったため、より入手難易度は上がりました。
耐久力があるから
エルメスのバーキンは、本革を使用しているため耐久力が高いことが特徴です。
そのため、多くの荷物を収納しても型崩れしにくいので、美しい形を保ち続けることができます。
日常使いしやすいエルメスのバーキンだからこそ、型崩れしにくいのは嬉しいですよね。
エルメスのバーキンは現在も値上がりしている
- 価格改定により定価が上昇しているため
- 新型コロナウイルスの流行による生産量低下
- 資産価値を感じた人による購入の増加
エルメスのバーキンは、上記のような要因から値上がりを続けています。
それぞれ詳しく解説していきますね。
価格改定により定価が上昇しているため
エルメスのバーキンは年に数回の価格改定が行われており、平均して5~10%ほど上昇しています。
一例としてバーキン25(トゴ)では、これまで定価が116万円だったものが2022年に121万円、2023年1月には147万4,000円に値上がりしています。
新型コロナウイルスの流行による生産量低下
2020年以降、新型コロナウイルスが流行したことで、エルメスのバーキンの生産がストップしました。
それにより、通常でも入手困難なバーキンはさらに価値が上がり、今まで以上に販売価格と買取価格が高騰しました。
資産価値を感じた人による購入の増加
ハイブランドのバッグはなかなか値下がりしないので、資産として購入する人が多いです。
その中でもエルメスのバーキンは、不変的なデザインや需要の安定から、かなり資産価値が高いことが特徴です。
また、購入時の価格よりも高値が付くことも珍しくなく、「身に着ける資産」とも呼ばれています。
高騰しているエルメスのバーキンの定価
ここからは価格が高騰しているエルメスのバーキンを、サイズと素材ごとに価格高騰前と後で定価を比較していきます。
バーキンの購入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧いただき、参考にしてください。
バーキン25
素材 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
トゴ | ¥1,331,000 | ¥1,474,000 |
トリヨンクレマンス | ¥1,331,000 | ¥1,474,000 |
スウィフト | ¥1,386,000 | – |
オーストリッチ | ¥2,585,000 | – |
ニロティカス | ¥5,973,000 | – |
エプソン | – | ¥1,441,000 |
バーキン25は「トゴ」と「トリヨンクレマンス」がそれぞれ、1,331,000円から1,474,000円と約14万円値上がりしています。
どちらもシボ感のある牛革で、バッグから小物まで幅広く使用されている素材です。
さまざまなアイテムに使用されることで素材自体の需要が高まり、値上がりしたと言えます。
バーキン30
素材 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
トゴ | ¥1,474,000 | ¥1,639,000 |
トリヨンクレマンス | ¥1,474,000 | ¥1,639,000 |
ニロティカス(クロコ) | ¥6,853,000 | – |
エプソン | ¥1,452,000 | ¥1,606,000 |
バーキン30は、バーキン25同様「トゴ」と「トリヨンクレマンス」がそれぞれ、1,331,000円から1,474,000円と約14万円値上がりしています。
また、「エプソン」が1,452,000円から1,606,000円と約15万円値上がりしています。
エプソンはハリのある革で、バッグや財布などの型崩れを防いでくれる特徴があります。
バッグから小物まで幅広く使用されている人気の素材です。
バーキン35
素材 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
トゴ | ¥1,628,000 | ¥1,804,000 |
トリヨンクレマンス | ¥1,628,000 | ¥1,804,000 |
エプソン | ¥1,738,000 | – |
バーキン35は「トゴ」と「トリヨンクレマンス」がそれぞれ、1,628,000円から1,804,000円と約17万円値上がりしてます。
バーキン35は、バーキン25とバーキン30に比べ一回り以上大きく使用する革も多いため、定価が高いと言えます。
バーキン40
素材 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
トゴ | ¥1,760,000 | ¥1,947,000 |
トリヨンクレマンス | ¥1,760,000 | ¥1,947,000 |
バーキン40は「トゴ」と「トリヨンクレマンス」がそれぞれ、1,760,000円から1,947,000円と約18万円値上がりしています。
バーキン40は旅行バッグとしても使う人がいる大きさで、その分使用する革も多いため定価が高いのも納得ですね。
エルメスのバーキンはなぜ高いのかについてまとめ
まとめ
- エルメスのバーキンは、用途に合わせたサイズ展開と品質の良さが魅力的
- 職人による手作りで、生産数に限りがあるため価格が高い
- 価格改定により定価が上昇している
エルメスのバーキンの価格が高い理由や値上がりしている理由、定価の比較まで解説してきましたがいかがだったでしょうか?
少しでも購入の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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