エルメスの革製品には、正規品であることを示すために刻印が入っています。実際にエルメスを手にしたことがある方は、見たことがあるかもしれません。
実は、職人の手によって記されたその刻印からは、製品が製造された年や工房などがわかるようになっているんです。
今回は、エルメスの刻印にはどんな意味があるのか、刻印が表す年代について、刻印なしは偽物か、などについて詳しくご紹介させていただきます。
エルメスの製品や刻印について気になっている方は、ぜひ最後までご覧いただき、参考にしてみてください。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」でLA部部長として勤務。業界屈指の激戦区である大阪エリアにおいて10年以上のブランド買取経験を持つ。
日本流通自主管理協会(AACD)の認定査定士として、ブランドに対する確かな知識とお客様に寄り添ったサービスを武器に第一線で活躍している。
目次
エルメスの刻印にはどんな意味がある?3種類をそれぞれ解説
バッグやお財布など、エルメスの革製品には、アルファベットと数字が組み合わされた刻印が入っています。この刻印は、エルメスの正規品であることを示す証明として、重要な役割を果たしています。
ここでは、エルメスの刻印が表している意味を、3種類ご紹介させていただきます。製造年数や製造した職人のイニシャル、製造した場所(工房)の3種類になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.製造年数を表す刻印
刻印の左側に入っているアルファベットの文字は、製品の製造年数を表しています。製造年数は一年ごとに異なるアルファベット一文字で表され、年数によってはアルファベットが◯や◻️で囲まれています。
そのため上記の写真では、アルファベットのUが、製造年数を表す刻印です。アルファベットのUは、2022年製造を表す刻印なので、写真の製品は2022年のものだとわかります。
どのアルファベットがどの年数を表しているかは詳細に決まっているため、次項で詳しくご紹介させていただきます。
2.製造した職人の刻印
製造した職人の刻印は、製造年数を表すアルファベットの横に入っており、上記の写真では、刻印の右側にあるCT323 AUがそれに当たります。
写真では、右側にきている製造した職人の刻印ですが、製品の古さによっては文字の並び方も変わるため、左側にくることもあります。
アルファベットと数字の組み合わせで、製造した職人は表されるのですが、どの文字が職人を表しているのか、詳しいことはわかっていません。また、一般の顧客にはもちろんのこと、エルメスの販売員の方にも知らされていないのが現状です。
3.製造した場所(工房)の刻印
製造した職人の刻印と同じく右側に、製造した場所(工房)の刻印が入ります。製造した場所(工房)の刻印もアルファベットと数字の組み合わせから成るため、写真ではCT323 AUがそれに当たります。
しかし、どの文字が製造した場所(工房)の刻印を表しているのかは、非公開になっているため、詳細を調べることは難しいと言えます。
エルメスの刻印は年代によって違う?
エルメスの刻印は、アルファベット一文字で、年代を表しています。どの年代に、どのアルファベットを使うのか決まっているため、アルファベットを見るだけでいつ製造されたものか、すぐに判別することができるんです。
ここでは、それぞれのアルファベットがどの年代を表しているのかを、詳しくご紹介させていただきます。
1964年~1970年
1964年 | 1965年 | 1966年 | 1967年 | 1968年 | 1969年 | 1970年 |
エルメスの刻印が製品に記されるようになったのは、1964年からだと言われています。1964年〜1970年までは、TからZまで順番に、囲みのないアルファベット表記が使われています。
1971年~1996年
1971年 | 1972年 | 1973年 | 1974年 | 1975年 | 1976年 | 1977年 | 1978年 | 1979年 |
1980年 | 1981年 | 1982年 | 1983年 | 1984年 | 1985年 | 1986年 | 1987年 | 1988年 |
1989年 | 1990年 | 1991年 | 1992年 | 1993年 | 1994年 | 1995年 | 1996年 | |
1971年〜1996年までは、AからZまでアルファベット順に並んでいます。1964年〜1970年までとの違いは、◯囲みのあるアルファベット表記が使われるようになったことです。
1997年~2014年
1997年 | 1998年 | 1999年 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 |
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 |
1997年〜2014年までは、AからRまでアルファベット順に並んでいます。ここで初めて、◻️囲みのある、アルファベット表記が使われるようになりました。
2015年~2024年
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
2015年〜2024年は、ランダムな配列で、囲みのないアルファベット表記が使われています。囲みのないアルファベットが使われているのは、1964年〜1970年と同じになっています。
AとC、D、B、R以外は、1964年〜1970年と同じアルファベットが使われているため、年代を見極めるときは、注意が必要です。刻印と合わせて製品の状態も確認して、慎重に判断するようにしましょう。
エルメスの刻印には特別なものがある?
エルメスの刻印には、製造年数や製造した職人、製造した場所(工房)について記されていますが、それ以外の特別な意味を持つものもあります。ここでは、そんな特別な刻印をご紹介させていただきます。
まずは、素材についての刻印です。エルメスの革製品には、爬虫類の革を使ったものが多くあります。爬虫類の革は、種類が豊富なのが魅力ですが、違いが見た目にわかりにくいのが特徴です。そのため、判断しやすいように、それぞれの素材を表す刻印が入れられています。
エルメスの中でも最高級の革であるクロコダイル・ポロサスの素材には「^」の刻印が、マットな質感のクロコダイル・ニロティカスの素材には、「●●」の刻印が入っています。このように、刻印によって素材を見分けられるようになっているのです。
つづいて、製造の方法についての刻印です。エルメスには、お店側から声をかけられた顧客のみが注文できるオーダー品があります。 そんなオーダー品には、その証として馬蹄の刻印が入れられています。素材やカラー、配色、金具などを自分好みにカスタマイズできるオーダー品はとても珍しく、なかなかお目にかかれない刻印となっています。
販売の方法について表している刻印もあります。フランス語でセール品を意味するソルド品には、「S」マークの刻印が入っています。定期的に日本や海外で、お得意さまに向けて開催するセールがあり、そこで販売している製品には、Sの刻印が入れられているのです。
エルメスの刻印なしは偽物?見分け方のポイント3選
エルメスの刻印について、詳しくご紹介させていただきましたが、刻印なしの製品は偽物なのではないかと気になりますよね。
実は、エルメスの刻印は、職人一人ひとりが手作業で押しているため、職人の判断によっては、刻印を入れないこともあるんです。ごく稀に刻印が入ってない製品もあるため、刻印がないからといって、かならずしも偽物であるとは限りません。
ここでは、エルメスの製品が、本物かどうかを見分けるポイントを3つご紹介させていただきます。エルメスの刻印の形をチェック、縫い目をチェック、保存袋をチェックの3つになります。それぞれ見ていきましょう。
エルメスの刻印の形をチェック
偽物を見分ける際は、まずエルメスの刻印の形をチェックしましょう。エルメスの製品には、表面に「HERME’S PARIS MADE IN FRANCE」という刻印が入っています。
本物の刻印は、きれいで均一な形が保たれており、文字がにじんでいることはありません。一方で、偽物の刻印は、文字の形やサイズが違っていたり、ゆがんでいたりすることが多くあります。
ひどいものだと、文字の字体が違うなんてこともあるので、刻印の形をしっかりとチェックすれば、本物かどうか見極められる可能性も高まります。
巧妙な偽物の場合、刻印だけでは見分がつかないこともあるので、後述するチェックポイントとセットで確認してみてください。
縫い目をチェック
つぎに、縫い目をチェックするのも重要なポイントです。エルメスの製品には、手縫いされている部分と、ミシン縫いされている部分があります。
手縫いとミシン縫いは見分けがつけやすく、手縫いの縫い目は右下がりで、ミシン縫いの縫い目は右上がりになっています。本来ならば手縫いしてあるべきところがミシン縫いになっていたり、縫い目の間隔があきすぎて不規則だったりすると、偽物の可能性が高くなります。
逆に、すべて機械で縫われたようなきれいすぎる縫い目も、偽物である可能性があるので注意が必要です。
保存袋をチェック
偽物を見分ける際は、かならず保存袋もチェックするようにしましょう。偽物の場合は、バッグなどは巧妙な作りでも、付属の保存袋の作りは雑なことが多いです。
本物の保存袋のロゴは、黒に近い濃い茶色で、細部までしっかりと描かれています。一方で偽物のロゴは色が薄く、馬や人の絵がぼやけていたり、かすれて滲んでいたりします。ロゴの位置など、細かいところまで確認することが重要です。
一番わかりやすいのは、保存袋を裏返したときに、内側の裁縫の仕上がりを見ることです。本物は、内側まできちんと縫い合わされているのに対し、偽物は内側の縫い目が雑で、糸が出ていたりします。本体のみならず、保存袋までチェックすることで、偽物を購入するリスクを減らせます。
エルメスの刻印なしは本物か?についてまとめ
まとめ
- エルメスの刻印は、製造年数、製造した職人、製造した場所(工房)を表す
- 刻印のアルファベット一文字で、製造された年数がわかる
- エルメスの刻印には特別な意味を持つものもある
- 刻印の形、縫い目、保存袋から偽物を見極めることが大切
この記事では、エルメスの刻印の意味、年代によって刻印は違うのか、偽物の見分け方についてご紹介させていただきました。
エルメスの刻印は、正規品を示すための重要な役割をになっています。エルメスの刻印がどの年代を表すのかを知っていれば、中古品を購入する際の参考にしていただけます。
また、刻印がないからといって、偽物であるとは限りません。今回ご紹介させていただいた偽物を見分ける3つのポイントを押さえて、購入する際や買取に出す際の参考にしてみてください。
ギャラリーレアでは、状態のいいエルメスのアイテムを多数お取り扱いさせていただいてます。エルメスのアイテムをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。
販売と合わせて、エルメス製品の高価買取も行っております。使わないエルメス製品をお持ちの方は、ぜひ売却を検討してみてはいかがでしょう。
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