エルメスの革製品には、正規品であることを示すために刻印が入っています。実際にエルメスを手にしたことがある方は、見たことがあるかもしれません。
実は、アルファベットや数字から成るエルメスの刻印には、製品が製造された年代や、製造した職人、アトリエなどの情報が隠されているんです。
製造された年代を知れば、製品を購入する際や、お手持ちのエルメス製品を売りに出す際の参考になるかもしれません。
今回は、年代別のエルメスの刻印、エルメスの刻印にはどんな意味があるのか、エルメスの刻印が入れられている場所についてご紹介させていただきます。
エルメスの製品や刻印について気になっている方は、ぜひ最後までご覧いただき、参考にしてみてください。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で常務執行役員として勤務。高級時計、宝石の査定を得意とし、業界で15年以上の豊富な経験を持つ。
現在は「お客様にとっての特別な企業になる」という信念と共に、国内11の店舗を統括している。
目次
【2024年最新版】エルメスの刻印を年代別に解説!
エルメスの刻印には、アルファベットと数字が記されていますが、これらの文字は製造年代や製造した職人、アトリエを表しています。
製造年代の刻印は、年代ごとに異なるアルファベット一文字で表され、年代によってはアルファベットが○や◻️で囲まれています。
どの年代が、どのアルファベットを表しているかは、細かく決められているため、ここでは年代別にエルメスの刻印について詳しく解説させていただきます。
後述させていただく表を見ながら、お手持ちのエルメスのアイテムがいつ製造されたものなのか、ぜひ確認してみてください。
1964年~1970年
1964年 | 1965年 | 1966年 | 1967年 | 1968年 | 1969年 | 1970年 |
製造年代をアルファベット一文字の刻印で表すようになったのは、1964年からだと言われています。1964年〜1970年までのアルファベットは、上記の表の通りです。
1964年のTからスタートして、1965年のU、1966年のV、1967年のWとアルファベット順に1970年のZまで並びます。日本では1964年のTからスタートしたと言われているアルファベット表記ですが、実際のところ海外では1945年のAから、すでにアルファベット表記が始まっていたと言われています。
1970年以降は、アルファベットが○や◻︎で囲まれたものが出てきますが、1964年〜1970年までは、囲みなしのシンプルなアルファベット表記のみとなっています。
1971年~1996年
1971年 | 1972年 | 1973年 | 1974年 | 1975年 | 1976年 | 1977年 | 1978年 | 1979年 |
1980年 | 1981年 | 1982年 | 1983年 | 1984年 | 1985年 | 1986年 | 1987年 | 1988年 |
1989年 | 1990年 | 1991年 | 1992年 | 1993年 | 1994年 | 1995年 | 1996年 | |
1971年〜1996年までのアルファベットは、上記の表の通りです。1971年〜1996年までは、アルファベット表の最初の文字であるAから始まり、最後の文字であるZまで、表にある順番通りに文字が並びます。
1970年までとの違いは、アルファベットが○で囲まれるようになったことです。そのため、○で囲まれた刻印であれば、1971年〜1996年までに製造されたものであると判別できます。
1990年〜1996年のTからZまでは、1964年〜1970年と同じアルファベットが使われていますが、文字が○で囲まれたことにより、どの年代のものか見分けられるようになっています。
アルファベットが○で囲まれているため、見た目にも分かりやすく、一般の方でも簡単に判断できる年代と言えるでしょう。
1997年~2014年
1997年 | 1998年 | 1999年 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 |
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 |
1997年〜2014年までのアルファベットは、上記の表の通りです。1997年からは、アルファベット表の最初の文字であるAに戻って再スタートし、Rまでアルファベット表の順番通りに並んでいます。
これまでとの違いは、ほかの年代と判別するためにアルファベットが◻︎で囲まれるようになったことです。これにより、いままでの年代と同じアルファベットであっても、1997年〜2014年に製造されたものであると容易に判断することができます。
Aからスタートした□で囲まれたアルファベットは、順番にZまで続くと思われていました。しかし実際は、◻︎で囲まれたアルファベットは、AからRまでの並びで終わりとなっています。2015年からどのアルファベットが使われているのか、次の表を見ていきましょう。
2015年~2024年
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
2015年〜2024年までのアルファベットは、上記の表の通りです。2015年からは、○や◻️の囲みがないシンプルなアルファベットが、再び使われるようになりました。
2014年のRまでは、アルファベット順に並んでいたため、2015年はアルファベット表でRの次にくるSになると思われていました。しかし、2015年からアルファベットのSは使用されなくなりました。これは、エルメスのセール品を表すSの刻印と、間違えるのを避けるためだと言われています。
TとX、Y、Z、Uは、1964年〜1970年に使われていたアルファベットと同じものが使われています。そのため、製品が作られた年代を見極めるときは、刻印と合わせて製品の状態や販売時期も確認するようにしましょう。
2015年にTから始まって以降、不規則な順番でアルファベットが並ぶようになり、次にくる文字が予測できなくなっています。
エルメスの刻印にはどんな意味がある?
エルメスの刻印には、製造年を表すアルファベット以外にも、ほかの意味を持つ数字や記号の表記があります。
ここでは、エルメスの刻印にはどんな意味があるのかについて、3種類ご紹介させていただきます。製造年の刻印、職人やアトリエの刻印、素材の刻印の3種類になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.製造年の刻印
エルメスの革製品は、刻印を見るだけで製造年が分かるようになっています。刻印に入っているアルファベット一文字の部分が製造年を表しており、1964年から現在に至るまで、年代ごとに細かくアルファベットが決められています。
刻印の左側に製造年を表す刻印、右側に職人やアトリエを表す刻印が入っています。製品や作られた年代によって、逆になることもあるので、その都度確認するようにしましょう。
上記の写真ではアルファベットのUが、製造年を表す刻印にあたります。アルファベットのUは、2022年を表す刻印なので、写真の製品は2022年に作られたものであると分かります。
どのアルファベットが、どの年代を表しているかは、前項で詳しく解説させていただいてるので、ぜひ参考にしてみてください。
2.職人やアトリエの刻印
製造した職人やアトリエを表す刻印は、英字と数字の組み合わせから成り、製造年の刻印の横に入っています。上記の写真では、刻印の右側にあるCT323 AUがそれにあたります。
どの文字が職人を表していて、どの文字がアトリエを表しているのか、詳しいことは非公開となっています。一般の顧客にはもちろんのこと、お店の販売員の方にも知らされておらず、職人やアトリエの刻印については、情報が少ないのが現状です。
しかし、エルメス側は刻印を見るだけで、どの職人がどのアトリエで作ったものか分かるようになっています。そのため、修理が必要なバッグがあれば、エルメスはバッグを製造した職人とアトリエを特定して、同じ職人に修理を依頼するようになっています。
3.素材の刻印
エルメスの革製品には「HERME’S PARIS MADE IN FRANCE」というロゴの横に記号の刻印が入っていることがあります。これは、製品の素材を表すための刻印で、エキゾチックレザーに入れられている刻印です。
クロコダイルやリザードなどの爬虫類系の革は、種類が豊富で見た目も似ているため、判別しやすいように、それぞれの素材を表す刻印が入れられています。
エルメスの中でも最高級の革であるクロコダイル・ポロサスの素材には「^」の刻印が、マットな質感と長方形の班が魅力のクロコダイル・ニロティカスの素材には、「●●」の刻印が入っています。
そして、クロコダイルよりも大きめの班が特徴であるアリゲーターの素材には「□」の刻印が、きめ細かい班と艶感が魅力のリザードの素材には「-」の刻印が入れられています。
エルメスの刻印が無い場合はあるのか?
ここまで、エルメスの刻印について詳しくご紹介させていただきましたが、ごく稀にエルメスの製品には刻印がない場合もあります。
エルメスの刻印が入れられているのは、革製品に対してのみになります。そのため、キャンバス生地だけを使用している製品には、そもそも最初から刻印が入れられていません。
ナイロンキャンバス地のエールラインや、コットンキャンバス地のフールトゥなどの一部のモデルには刻印が入っていません。ご自身がお持ちの製品の素材が、なにでできているのか、まずは確認してみてください。
また、エルメスの製品は一つひとつ職人の手作業で作られているのですが、刻印を入れるかどうかの判断は、作った職人の判断に委ねられています。そのため、刻印が入れられるべきアイテムに、刻印が入っていない場合もあります。
もし刻印がないアイテムを見つけたら、まずはプロの方に鑑定してもらうのがおすすめです。ギャラリーレアでも鑑定を行っているので、その際はぜひギャラリーレアへお問い合わせください。
【バッグ】エルメスの刻印の場所はどこにある?
エルメスの刻印は、革製品のバッグや財布に入れられていますが、製品によって刻印が入っている場所は異なります。お手持ちのアイテムのどこに刻印が入っているのか気になる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、エルメスの中でも特に人気のある3種類のバッグをピックアップさせていただきました。それぞれのアイテムのどこに刻印が入っているのか、詳しくご紹介させていただきます。ぜひ参考にしてみてください。
バーキン:バッグ内側の左上部
エルメスを代表するバッグであるバーキンは、世界中の女性の憧れの的でもあります。
なかなか手に入らず希少性が高いことでも有名ですが、一生もののバッグとして一度は手にしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
エレガントな印象でデザイン性が高いうえに、しなやかで収納力があり、実用性に優れていることもバーキンが人気の理由の一つです。
そんなバーキンは2015年以前と、以降で刻印が入っている位置が異なります。旧式である2014年までは、バッグ中央に位置するクロアベルトの裏側、正面から見て右側に刻印が入れられていました。
2015年からは刻印の入る位置が、バッグの内側に変更されています。正面から見てバッグ内側の左上部に、刻印が入れられるようになりました。お手持ちのバッグが製造された年代によって、紹介させていただいた箇所を確認してみてください。
ケリー:バッグ内側の左上部
エルメスの定番バッグであるケリーは、世代を超えて世界中の女性に愛され続けています。モナコ王妃であったグレース・ケリーも愛用していた一人で、彼女が妊娠中のお腹をマスコミから隠すために使ったバッグとしても有名です。
美しい台形のフォルムが特徴的で、洗練された女性らしさを演出してくれるため、フォーマルなシーンにとてもよく馴染んでくれます。肩掛けできるストラップ付きで、ハンドバッグとしてもショルダーバッグとしても使えるのもケリーの魅力です。
そんなケリーもバーキンと同様に、2015年から刻印の入る位置が変わっています。2014年までは、正面から見て右側のクロアベルトの裏に、刻印が入れられていました。
2015年からは、バッグの内側に刻印が入れられています。正面から見てバッグ内側のマチの左上部に刻印が入るようになりました。製品によっては、バッグのマチに隠れて見えづらいこともあるので、少し分かりにくいかもしれません。
ガーデンパーティー:バッグ内側の側面に走るレザーライン
キャンバス地に上質なレザーが組み合わされた、カジュアルなデザインが魅力のガーデンパーティ。シンプルな見た目と機能性の高さから、男性女性問わず人気のあるトートバッグです。
台形のフォルムで底にマチがあるので、荷物をたっぷりと収納できるうえ、バッグの口も大きく開いてくれて、ものの出し入れもスムーズで使い勝手に優れています。
キャンバス生地なので、一見すると刻印が入っていないように見えますが、実はレザーの部分に刻印が入れられています。バッグ内側の側面に走る、縦のレザーのラインに「HERME’S PARIS」のロゴが入っており、そのロゴ付近に刻印が入れられています。
ガーデンパーティーの刻印は、小さくて分かりにくいことがよくあるため、見落とさないように注意深く確認する必要があります。
【財布】エルメスの刻印の場所はどこにある?
エルメスの財布も、製品によって刻印が入っている場所は異なります。ここでは、エルメスの中でも特に人気のある財布を3種類ピックアップさせていただきました。
べアンスフレ、ドゴン、アザップロング シルクインの3種類になります。それぞれのアイテムのどこに刻印が入っているのか、詳しく見ていきましょう。
ベアンスフレ:小銭入れ裏のお札入れ
アイコニックな「H」の金具が特徴的なベアンスフレは、エルメスの中でも定番の財布として、特に人気のあるアイテムです。シンプルなデザインとすっきりした見た目から、性別問わず人気があります。
お札入れにマチがあり、お札を100枚入れられるほどの収納力に優れているのも、べアンスフレの魅力の一つです。しっとりとした高級感のある革が使われており、使うほどに馴染む上質さが多くの人を虜にしています。
そんなべアンスフレは、小銭入れの裏側にあるお札入れに刻印が入れられています。お札入れをぐっと開ける必要はありますが、比較的見やすい位置に刻印が入っていると言えます。
製造された年代が古い初期のものだと、刻印が入れられている位置が変わります。古いものは、小銭入れの内側のマチ部分に小さく刻印が入れられているので、べアンスフレをお持ちの方は、ぜひ確認してみてください。
ドゴン:カード入れ裏のお札入れ
エルメスを代表する財布であるドゴンは、べアンと並ぶ定番モデルとして世界中の人々に愛されています。財布を開閉するときに通す金具に「HERME’S PARIS」のロゴが入っており、洗練された雰囲気とさりげない高級感のあるデザインが人気の理由です。
すっきりとした見た目以上の収納力を誇り、カードや領収書などをたっぷり収納したい方に、おすすめの財布です。シンプルで上品なデザインと、使い勝手のよさからファーストエルメスとして手にする方も多くなっています。
そんなドゴンは、カード入れの裏側にお札入れがあり、そのお札入れの内側に刻印が入れられています。少し見えにくい位置に刻印が入っているため、刻印を見つけるためには、お札入れをぐっと大きめに開ける必要があります。
アザップロング シルクイン:小銭入れに付いたレザーのタブ
エルメスの財布の中でも定番モデルであるアザップロング シルクインは、ほかの財布とは異なるデザイン性の高さが魅力です。
財布の外側は、上品でシンプルなレザーになっており、内側一面にはエルメスのスカーフと同じ芸術的なシルク生地が広がります。落ち着いた外側からは想像できない内側の華やかさが、アザップロング シルクインの人気の理由です。
アザップロング シルクインには、財布の内側にある小銭入れの側面に小さなタブが付けられています。そのタブの表側に「HREME’S PARIS」のロゴが入っており、刻印はそのタブの裏側に入れられています。
タブを裏返すとすぐに刻印が見えるので、ほかのアイテムと比べると見やすい位置に刻印が入れられています。
エルメスの刻印と年代の関係についてまとめ
まとめ
- エルメスの製造年代の刻印は、アルファベット一文字で表される
- エルメスの刻印は、製造年、職人やアトリエ、素材の種類を表している
- エルメスの刻印が入れられていないこともある
- バッグや財布など、製品によって刻印が入る場所は異なる
この記事では、年代別のエルメスの刻印、エルメスの刻印の意味、エルメスの刻印の場所についてご紹介させていただきました。
エルメスの刻印は、正規品を示すための重要な役割を担っています。エルメスの刻印がどの年代を表すのかを知っていれば、中古品を購入する際の参考にしていただけます。
ギャラリーレアでは、状態のいいエルメスのアイテムを多数お取り扱いさせていただいてます。エルメスのアイテムをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。
販売と合わせて、エルメス製品の高価買取も行っております。使わないエルメス製品をお持ちの方は、ぜひ売却を検討してみてはいかがでしょう。
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