ロレックスのエアキングは「人気がない」といわれることがあります。しかしエアキングこそロレックスの「正確な時を告げる」シンプルな機能性を表現しており、本質を極めたモデルといえます。
では、なぜ人気がないといわれるのでしょうか?それは「他のモデルに人気が集中している」「シンプルすぎる機能」「一時的な関心の薄れ」の3つの理由からと考えられます。しかしエアキングの魅力は知れば知るほど深く、ロレックスエントリーモデルとしてもおすすめできるモデルです。
今回は、ロレックスのエアキングは人気がないといわれる理由を解説するとともに、人気モデルを3つご紹介します。エアキングご購入時のヒントとして、ぜひご覧ください。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」でLA部部長として勤務。業界屈指の激戦区である大阪エリアにおいて10年以上のブランド買取経験を持つ。
日本流通自主管理協会(AACD)の認定査定士として、ブランドに対する確かな知識とお客様に寄り添ったサービスを武器に第一線で活躍している。
目次
ロレックスのエアキングはどんな時計?
エアキングは、1940年代後半にオイスターパーペチュアルシリーズの一モデルとして登場しました。「エアキング」という呼称は、もともとペットネームから始まったもの。誕生から次第に存在感を強めたエアキングは、2014年の一時的な生産終了後、2016年にプロフェッショナルモデルとしてラインアップされています。
エアキングの特徴は、プロフェッショナルモデルのなかでも比較的入手しやすい価格帯とシンプルな機能性です。デイト機能やクロノグラフ機能などを搭載しない、高い視認性に優れたフェイスデザインは、ロレックスのエントリーモデルとしても位置付けられています。
2016年に刷新されたRef.116900はプロフェッショナルモデルとしての展開ということもあり、デザインに大幅なデザインが加えられました。大きさではケースサイズと厚みが変更されています。ケースサイズは34mmが40mmとなり、一回り以上大きなサイズに。厚みは旧型よりも増しています。
オイスタークラスプのデザインも、旧型はロレックスの刻印が浅いのに対し、新型は深く、より立体的になっています。またムーブメントは、耐磁性能に優れたCal.3131が搭載されました。
2022年にはさらに進化したRef.126900が登場。ムーブメントがCal.3230へ変わり、より高精度な機能を備えたエアキングが注目を集めています。
ロレックスのエアキングの人気がないと言われるのはなぜ?理由は?
ロレックスのエアキングは、歴史的背景や十分な機能性を持ち合わせるモデルです。しかし、数々の人気モデルを有するロレックスのなかでは「人気がないモデル」といわれることもあります。
ここでは人気がないといわれる理由を3つお伝えします。
他のモデルの方が人気があるから
高い機能性と人気を誇るGMTマスターIIは、ロレックスのなかでも知名度があり、高騰しているモデルです。デザイン性もさることながら、海外旅行を便利にする2つのタイムゾーンを同時に表示できる機能が高い評判を呼んでいます。
またシンプルなデザインを求める場合は、オイスターパーペチュアルが選ばれることもあり、エアキングは注目されにくいモデルといえます。
このため他のモデルに人気が集中し、エアキングの存在自体が薄れたことに要因があると考えられるでしょう。しかし、ビジネスシーンにも取り入れやすいケースサイズとフェイスデザインでつくられ、シンプルながらも時刻を示す時計としての機能は高精度を誇ります。エアキングは多くの理由から、長年にわたって愛されているモデルであることに間違いはありません。
特徴的な機能がないから
エアキングは視認性に優れ、デイト機能すらも持たないシンプルな時計です。ロレックスのもつ多くの機能性を体感したい方にとって、エアキングには物足りなさを感じるかもしれません。ただエアキングは航空との長い歴史をもち、ロレックスファンにとっては伝統を感じられるモデルです。
また正確な時間を伝えることをコンセプトとしているため、そのシンプルさを追求したスタイルに魅了される方も少なくありません。手元にある3針のみが伝える正確な時間と、無駄のないデザインがロレックスファンからは高評価を得ています。
以前まで生産が終了していたから
エアキングはオイスターパーペチュアルの一モデルとしての生産を2014年に終了しました。しかし2016年には、独立したプロフェッショナルモデルとしてデザインや機能を刷新し、再登場しています。
もともと高騰するモデルではなかったことから、エアキングに対する注目が下がり、人気がないというイメージにすり替わったことも原因の1つ。
しかし2016年の再登場によってエアキングへの注目は高まり、ブレることのない安定した人気を獲得しました。さらに現在もリニューアルしながら進化し続けるエアキングは、ロレックスのなかでも独自の存在感を放っています。
ロレックスのエアキングは本当に人気がない?そんなことはない理由を解説!
エアキングは一時的な関心の薄れと、シンプルな機能、人気モデルの影響により「人気がないのでは」と思われがちですが、実際にはそんなことはありません。エアキングの歴史をよく把握している生粋のロレックスファンであればたまらない伝統的なモデルであり、遊び心のある特徴的なデザインは新しいファン層を獲得しています。
また高い人気を誇るGMTマスターIIやエクスプローラーよりも、比較的簡単に入手できるモデルです。価格帯もエントリーモデルとして安定感があり、初めてロレックスを購入する方にとって手に取りやすい点も大きな魅力をもっているといえるでしょう。
エアキングはロレックスを愛してやまないファンと、エントリーモデルを求める新しいファンから安定的な人気を誇っています。
ロレックスのエアキングの人気モデルを3つ解説!
ここからはロレックスのエアキングのなかでも、とくに需要が高い人気モデルを3つ解説します。人気モデルは価格が高騰していますが、買取時に高いリセールバリューが期待できるでしょう。
ロレックスのエアキング 人気モデル1. Ref.116900
ロレックス エアキング ランダムシリアル ルーレット 116900
参考定価:1,078,000円(税込)
一時的に生産を終了したエアキングが、2016年にプロフェッショナルモデルとして戻ってきました。ロレックスが販売していた期間は2016~2022年の5年間。オイスターパーペチュアルシリーズであったエアキングが、これまでとは異なるデザインで再登場し、ロレックス愛好家の間で注目されたモデルです。
女性や小柄な男性の手首にフィットする34mmサイズから、ボリュームのある40mmに一新されています。大きな変更点は、やはりその外観でしょう。黒のみの文字盤に浮かぶのは、アラビアインデックスの2桁の数字と緑のブランドロゴ。さらに秒針も「ROLEX」のブランドロゴと同じカラーでまとめられています。
また1つ注目したいのは、「Air-King」という書体。ほかとは異なる書体で刻印されており、エアキングが特別な思いを乗せて再登場したことが感じられます。当時はプロフェッショナルモデルのなかでも、在庫・価格ともに手に入れやすいモデルといわれていました。
ロレックスのエアキング 人気モデル2.Ref.126900
参考定価:1,300,000円(税込)
2016年に注目を集めたエアキングの再登場から、さらに5年を経てモデルチェンジしたRef.126900が誕生しました。この発表に伴い、Ref.116900は生産終了に。
Ref.126900ではケースサイズに変更はなく、以前と同様の40mmサイズです。大きな変化といえばリューズガードが搭載されたこと。また「5」が「05」になり、ミニッツインデックスが2桁表示へと変更されています。機能面では前述した通り、70時間のパワーリザーブを可能にするムーブメント・Cal.3230へ載せ替えられたことが大きな変更点です。
Cal.3230は衝撃性・磁性に対する耐久力に高い機能をもち、優れた実用性を発揮します。Ref.126900の新品価格は816,200円でした。そして現在の相場価格は130万円。およそ50万円近く高騰しており、高いリセールバリューが期待できるモデルでもあります。
ロレックスのエアキング 人気モデル3.Ref.14000M
参考定価:518,100円(税込)
Ref.14000Mは2001~2007年の6年間、ロレックスのラインアップに並んでいました。2016年以降のデザインよりも、よりシンプルなサイズ・外観を好む方に人気のモデルです。Ref.14000Mはクロノメーターを採用せず、ムーブメントをCal.3130に載せ替えています。これがRef.14000Mの大きな特徴といえますが、そのほかにもロレックスファンの心をくすぐるような変更点が。
フェイスガラスの6時位置に、ロレックスのブランドモチーフ・王冠が透かし彫りで入っています。これは偽造品対策で、ルーペなどを通さないと見えないほどの薄さです。
中古相場は50万円ほどと、ほかのモデルと比較すれば入手しやすい価格帯。手頃な価格から、人気モデルとして確立されています。
ロレックスのエアキングの買取相場はどれくらい?
商品名 | 買取価格 |
---|---|
Ref.126900 | 1,170,000円 |
Ref.116900(新品同様) | 960,000円 |
Ref.116900(状態Aランク) | 825,000円 |
14010 S番 | 210,000円 |
エアキングは、比較的相場が落ち着いているプロフェッショナルモデルです。GMTマスターなどのように多機能ではなく、シンプルな機能性と美しさが魅力の時計ともいえます。エアキングの買取相場は上表のようにモデルによって大きく異なり、ご紹介した人気モデルでないと買取価格はやや控えめといえるでしょう。
しかしモデルによっては、定価以上の価値が期待できることも事実です。例えば、ご紹介したRef.116900やRef.126900はとくにその傾向が表れています。それぞれ定価以上の買取価格を獲得しており、エアキング全体の相場感を押し上げているともいえるでしょう。
エアキングを資産とする方にとっても、今後の相場には期待がもてます。お手元のエアキングを買取に出す際は、購入時の外箱・内箱・ベルトのコマなど、ささいな付属品でも一緒にご持参ください。時計の状態も査定額に影響を及ぼしますが、付属品も高額買取に大切な要素です。偽造品が多く出回るロレックスだからこそ、真正品という「信頼性」を示すものであるため、忘れずに査定へ出すことをおすすめします。
ロレックスのエアキングの中古価格はいくらくらい?
商品名 | 中古価格 |
---|---|
Ref.114200 M番 | 908,000円 |
Ref.126900 | 1,290,000円 |
Ref.116900 | 1,078,000円 |
※2024年9月現在
買取価格同様、人気モデルは需要があるため定価よりも高い金額でラインアップされています。しかし200~300万円ほどの中古価格をつけるプロフェッショナルモデルよりも安価で、初めてロレックスを購入する方にとって手に取りやすい価格帯です。ただ、今後はエアキングの買取価格の上昇が予想され、中古価格も高くなる可能性が十分にあります。
現在はエアキングの人気モデルが100万円前後で手に入るため、できる限り価格を抑えて購入したい方は早めの購入が賢明な判断といえるでしょう。
ロレックスのエアキングを定価より安く購入するのにおすすめの中古専門店は?
エアキングはモデルによって、定価よりも安く購入することには難しいケースがあります。しかし、状態や年式よっては新品の定価よりも価格を抑えて購入できるため、あきらめずにお気に入りのエアキングを中古市場から探してみましょう。
エアキングに限らず、ロレックスは世界的な人気から偽造品が非常に多く出回っているブランドです。スーパーコピーと呼ばれる本物と酷似した偽造品も存在しますが、その性能は遥かに劣ります。フリマアプリやオークションであれば簡単に価格交渉が叶いますが、偽造品の温床でもあるため推奨できません。
中古のエアキングをお求めの場合は、まず真贋に高い信頼性を誇るブランド買取店を見つけましょう。ギャラリーレアに在籍する買取スタッフは、いずれも査定の専門知識を身に付けた人材で構成され、持ち込まれたエアキングの真贋性を鑑定します。
安心してエアキングを選ぶには、まず高い査定力が自慢のギャラリーレアからぜひお探しください。
ロレックスのエアキングは人気がないのは本当かについてまとめ
まとめ
- 一時的な関心の薄れ・シンプルな機能・人気モデルの影響から人気がないというイメージが生まれた
- 実際には安価に購入できる高性能なプロフェッショナルモデル
- エアキングはエントリーモデルとしておすすめ
ロレックスのエアキングが「人気がない」といわれるのは、一時的な生産終了による関心の薄れとシンプル過ぎる機能、GMTマスターIIなどの人気モデルによる影響と考えられます。多機能なモデルを求める方には、時刻をただ正確に刻むことに特化するエアキングは物足りなさを感じるでしょう。さらに人気モデルに比べ、エアキングは注目度が低いといえます。その分、高性能なエアキングをほかのプロフェッショナルモデルより安価に購入できることが大きな魅力です。
エアキングはロレックスを体験してみたい方や、ストーリー性とコンセプトに魅了された方から高い支持を受けています。中古市場では手頃なエアキングのアンティークモデルを見つけられる場合もあり、さらに信頼できるブランド買取店であれば安心感をもってエアキング探しを楽しめるでしょう。ぜひお気に入りのエアキングを見つけ、その魅力に触れてみてください。
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