ロードマチックは、1881年創業の時計メーカー「セイコー」が生産していた腕時計のシリーズです。
実用性とおしゃれなデザイン性を兼ね備えており、発売当時は大きな注目を浴びました。
本記事では、そんなセイコーのロードマチックの魅力をたっぷり解説します。
「ロードマチックを身につけるならこのモデル!」と言える人気のモデルや、当時の販売価格も紹介しているので、ロードマチックが気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で常務執行役員として勤務。高級時計、宝石の査定を得意とし、業界で15年以上の豊富な経験を持つ。
現在は「お客様にとっての特別な企業になる」という信念と共に、国内11の店舗を統括している。
目次
セイコーのロードマチックはいつ頃誕生した?歴史は?
セイコーのロードマチックが誕生したのは、1960年代後半です。
当時のセイコーは、水晶振動子で正確な時間を刻む「クオーツ式腕時計」の次世代版の開発と、ゼンマイを巻いて時計を動かす「機械式腕時計」の集大成を目指して開発を進めていました。
そして1968年に販売を開始したのが、ロードマチックです。
ロードマチックは腕の動きでゼンマイを巻いて時計を動かす「自動巻腕時計」として登場し、グランドセイコーとキングセイコーに次ぐ準高級機として、主にビジネスマンからの人気を集めました。
一説によると、当時のビジネスマンの初任給のおよそ半額で販売されるモデルも存在したようです。
1970年代にロードマチックの生産は終了しましたが、現在でも根強い人気があり、中古市場を中心に盛んに取引されています。
セイコーのロードマチックは、長年にわたり多くの人を惹きつける魅力がある腕時計と言えるでしょう。
セイコーのロードマチックの魅力を3つ紹介!
セイコーのロードマチックは、職場やフォーマルな場面に身につけて行きやすいかっちりとしたデザインが印象的です。
近年はヴィンテージ腕時計として注目が集まり、ファッションアイテムとして身につける方もいるようです。
ここでは、セイコーのロードマチックの魅力を3つ紹介します。
セイコーのロードマチックの魅力1.風防ガラスや文字盤のグラデーション
セイコーのロードマチックの魅力1つ目は、文字盤をカバーしている「風防ガラス」や、文字盤のグラデーションです。
セイコーのロードマチックには風防ガラスや文字盤にグラデーションを施したものがたくさんあり、光の当たる角度によって色の濃さや見え方が変化します。
文字盤の中央に向かって色が明るくなるように見える製品や、90度ずつ色が変わるような配色のものなど、何度見ても飽きさせないデザイン性の高さが魅力です。
なかには風防ガラスにカットを施し、中心部に向かって防風ガラスが四角く盛り上がるような立体感を付けたものも見られます。
カットを施した風防ガラスによる光の屈折と、文字盤の彩色が合わさっているロードマチックは、とても存在感があります。
グラデーションが施される文字盤の色は、グリーン系・ブルー系・ブラック系・ブラウン系など、スーツに合わせやすい落ち着いた雰囲気のものが多いのが特徴です。
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セイコーのロードマチックの魅力2.バリエーションの種類が多い
バリエーションの豊富さも、セイコーのロードマチックの魅力のひとつです。
黒一色の文字盤を使用したもの、四角い形のケースを使用したもの、風防ガラスにカットを施したもの、ベルトがゴールド系の色のものなど、たくさんの種類があります。
ベーシックな腕時計を探している方は白の文字盤とシルバー系のベルトを使用した製品、コーディネートに華やかさを加えたい方はブルーやグリーンの文字盤を取り入れたモデルを選ぶのも良いでしょう。
文字盤のデザインの種類も充実しており、無地はもちろん、中央に向かって明るくなるようグラデーションを施したものや、さりげない縦のボーダー柄になるよう同系色の色を組み合わせたものもあります。ケースの大きさもさまざまで、小ぶりで身につけやすいものから、厚みがあり存在感のあるものまで、ラインナップがとても充実しています。
デザインのバリエーションが豊富であるぶん、製品選びを楽しんだり、自分好みの一品を見つけたりしやすいのが、セイコーのロードマチックの魅力です。
セイコーのロードマチックの魅力3.実用性が高い
セイコーのロードマチックの魅力として、現代人でも使いやすさを感じるほどの実用性の高さも挙げられます。
サイズ感は現在発売されている腕時計と遜色ないほど薄くて小さく、身につけていても邪魔になりにくい大きさが特徴です。
時計のケースと裏蓋が一体化している「ワンピースケース」という構造を取り入れて、手首の汗が裏面から時計内部に染み込むのを防ぎ、耐久性も向上させています。
加えて「カレンダー早送り機能」も備えており、リューズを回転させることで日付と曜日の表示を変えられます。
曜日の表示は、日本語と英語の2種類から選択できます。現在では当たり前のように搭載されている「カレンダー早送り機能」と曜日表示の言語選択は、セイコーのロードマチックが初めて両立させました。
腕時計の主流方式を形作り、現代人も必要とする機能を備えているのも、ロードマチックが人気の理由のひとつです。
セイコーのロードマチックの人気モデルを解説
セイコーのロードマチックは、さまざまなモデルが発売されました。モデルによって見た目や価格帯が異なるので、自分好みのアイテムを探しましょう。
ここでは数あるセイコーのロードマチックのなかでも、特に人気のモデルを3つ紹介します。
ロードマチック 5601-9000(全数字ダイヤル)
参考中古定価:88,000 円(税込)
セイコーのロードマチックの人気モデル1つ目は、5601-9000(全数字ダイヤル)です。
文字盤にインデックスのみをあしらったシンプルなデザインが特徴で、ベーシックな腕時計を探している方におすすめです。
時計のケースと裏蓋が一体化している「ワンピースケース」が使われており、手首や手の甲から時計の内部に汗や汚れが染み込むのを防ぎやすい構造になっています。
日付の表示機能がない「ノンデイト仕様」かつ、「カレンダー早送り機能」を搭載していないのも特色です。
腕時計に必要な機能を最小限に抑えており、カレンダーや曜日の表示は必要としておらず、時間が分かれば良いという方にも使いやすいでしょう。
文字盤の色は白のものが多い傾向にあり、ベルトの材質や色は金属のシルバー系や革のブラック系・ネイビー系などいくつかバリエーションがあります。
インデックスはアラビア数字のものもあればローマ数字のものもあるため、自分好みのものを探してみてください。
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ロードマチック 5206-6020(9面カットガラス)
参考中古定価:25,000円(税込)
9面カットガラスを施した5206-6020も、ロードマチックの人気モデルのひとつです。
9面カットとは文字盤を覆う風防ガラスに施すカット装飾の一種で、ガラス面を9分割するようにカットを施しているのが特徴です。
文字盤が見やすいようカットを施す位置も工夫されており、風防ガラスの中心部は縁と比べると平べったくなっています。
光の当たり具合によって風防ガラスや文字盤には縦横の陰影ができ、見る人を飽きさせないのが魅力です。
基本的な機能としては、日付と曜日の表示が搭載されているものが多く登場しています。
カラーバリエーションは、白の文字盤にシルバー系の金属のベルトを組み合わせたシンプルなものが多く、スーツやフォーマルウェアにも合わせやすいでしょう。
古い製品は防水仕様になっていないものもあるので、天気やお出かけ先には注意することをおすすめします。
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ロードマチック 5606-5010(ダークブルー文字盤)
参考中古定価:38,000円(税込)
ロードマチックの人気モデルとして、5606-5010のダークブルー文字盤も挙げられます。
5606-5010は他のモデルとは異なり、ケースの形が四角いのが特徴です。3時の位置には、日付と曜日を表示する小窓が付いている製品が多く見られます。
2ヶ国語の曜日表示・カレンダー早送り機能・秒針停止機能などを搭載しており、機能性に優れています。
5606-5010も製品のバリエーションが豊富で、白の文字盤×金属でできたシルバーのベルト、ネイビー系の文字盤×革製の黒のベルトなど、さまざまなデザインが展開されています。
そのなかでも特に人気なのが、ダークブルーの文字盤を使用しているものです。鮮やかなブルー系よりも落ち着いた色合いで、大人っぽい雰囲気を演出できます。
ダークブルーの文字盤に青い斑点をあしらったものもあり、さりげなくおしゃれを楽しめるのも魅力です。
50年以上前に作られた製品も多く、非防水のものもよくあるので、水辺に持って行ったり、汗をかくほど暑い日に身につけたりするのは避けた方が良いでしょう。
セイコー ブルー商品一覧 | 中古・新品ブランド販売ギャラリーレア公式通販
魅力的なセイコーのロードマチックの当時の価格はどれくらい?
セイコーのロードマチックの発売が開始された当時の価格は、およそ21,000〜30,000円とされています。
ロードマチックが登場した1968年〜1970年の大卒初任給は50,000円前後だったため、ロードマチックの価格は大卒初任給のおよそ半額かそれ以上の金額だったと考えられます。
2024年度の平均大卒初任給が220,000〜230,000円であるため、現在の価値に換算すると92,000〜138,000円の価格帯であると言えます。
就職したばかりの新社会人でも毎月積み立てれば手が届く金額なので、社会人デビューの記念や自分へのご褒美に購入した人もいたかもしれません。
スーツに合わせやすい落ち着いたデザインと、仕事で毎日使える機能性の高さが魅力のロードマチックは、発売当初から多くの人に愛されている腕時計です。
セイコーのロードマチックをメンテナンスする方法は?
セイコーのロードマチックは、1968年~1970年代に販売されていました。生産から50年以上経過している製品も多いため、日頃のメンテナンスはとても大切です。
自分でロードマチックのメンテナンスをするときは、清潔な布で汚れをきれいに落としましょう。
腕時計は肌と直接触れることが多いため、汚れを放置していると汗や皮脂が付着してバンドが傷んだり、細部に汚れが入り込んで動きが鈍くなったりします。
その日付いた汚れはその日のうちに落とすことを意識して、腕から外すときに全体を拭くようにしましょう。
時計は磁気に弱く、パーツが磁気を帯びると不具合を起こすケースもあります。
腕から外している間は、スマートフォンやパソコンといった磁器を発生させるものから離しておくことも大切です。
もし自分では落とせない汚れや傷が見つかったり、修理が難しい不具合などが起こったりしたときは、専門の業者にオーバーホールを依頼するのもひとつの手段です。
セイコーのロードマチックの魅力についてまとめ
まとめ
- ロードマチックは1968年から1970年代にかけてセイコーが販売した腕時計
- 防風ガラスや文字盤のグラデーションが魅力
- デザインのバリエーションが豊富
- 「カレンダー早送り機能」をはじめ実用性に優れている
ロードマチックは、1968年から1970年代にかけてセイコーが製造・販売していた腕時計です。
シンプルでおしゃれなデザインと実用性の高さが魅力であるのに加え、発売当時の大卒初任給の半額程度から購入できたため、主にビジネスマンからの人気を集めました。
生産から50年以上経過しているモデルもありますが、変わらず動き続けているものも多く、中古市場でも盛んに取引されています。
ギャラリーレアは、さまざまな種類のセイコーの腕時計を販売しています。ロードマチックをはじめ新しいアイテムが入荷次第情報を更新しているので、ぜひ公式通販サイトをチェックしてみてください。
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