世界中で愛されている「ルイ・ヴィトン」のバッグや財布。ヴィトンの製品には、「モノグラム」や「ダミエ」といった種類があります。それぞれ使用されている素材によって特徴が異なり、お手入れの方法も変わってくるため注意が必要です。
今回は、ヴィトンの革のお手入れの基本について解説します。ヴィトンのレザーアイテムをより美しい状態で長く使い続けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ブランド買取販売店「ギャラリーレア」で青山表参道店の店長として勤務。高級ブランドの旗艦店が立ち並ぶ表参道エリアにおいて、お客様の立場に寄り添った丁寧なヒアリング接客を武器に活躍。日・英・仏の3か国語を操り、国内だけではなく海外のお客様からの信頼も厚い。
目次
【定番ライン3選】ヴィトンの革の特徴とは?
ここから、ヴィトンの定番である「ダミエ」「ヌメ革」「モノグラム」について、革の特徴を紹介します。それぞれの特徴や魅力をチェックしてみてください。
1.ダミエ
ダミエとは、フランス語で「市松模様」を意味します。シンプルな雰囲気と、汚れが目立ちにくい配色がダミエの特徴です。
ダミエには「トアル地」という素材が使われています。トアル地とは、エジプト綿に「PVC」という合成樹脂で加工したものです。PVCとは、ポリ塩化ビニール樹脂の略で、いわゆるビニールのことを指します。
トアル地の大きなメリットは耐久性です。革製品とは異なり、傷に強い性質があり、丈夫で長持ちします。
トアル地のデメリットは「加水分解」が起きることです。加水分解とは、水分によって生地が分解してしまい、生地が剥がれたりベタベタになったりしてしまう現象です。
2.ヌメ革
ヌメ革とは、素材そのものを指す言葉ではなく、革の加工方法を意味します。ポリフェノールの一種である「タンニン」を使って革をなめす工程のことです。
一般的にヌメ革には牛革が使用されます。「ナチュラルレザー」とも称されるヌメ革は、柔らかで上質な風合いが魅力です。
ヴィトンの場合、ヌメ革が使われているのは、主にバッグの持ち手やショルダーベルト、隅のパイピングなどです。
ヌメ革のメリットは、お手入れの仕方に気をつければ、長く使い続けられることです。使い込むほどにツヤが増して、経年による変化を味わえることも、ヌメ革ならではの楽しさといえるでしょう。
ヌメ革のデメリットは、表面に加工が施されていないため、キズがつきやすいことです。PVC加工のように樹脂で覆っていないため、強い摩擦があるとキズが発生します。また、ヌメ革は水を吸収することから、シミになりやすいので注意が必要です。
3.モノグラム
ヴィトンのアイコンとも言えるモノグラム。アルファベットの「L」と「V」、そして星と花のモチーフがデザインされた印象的な柄です。
ヴィトン公式では、素材ごとに「モノグラム・キャンバス」「モノグラム・アンプラント」「モノグラム・ヴェルニ」などに分類されています。
モノグラム・キャンバス
モノグラム・キャンバスには、ダミエと同じ素材の「トアル地」が使用されています。
トアル地は、コットン素材に塩化ビニルをコーティングしているため、丈夫で扱いやすいことが特徴です。比較的キズには強いですが、水分や湿気には弱いので、風通しの良い場所で保管しましょう。
モノグラム・アンプラント
モノグラム・アンプラントは、上質なカーフレザーにエンボス加工で施されたモノグラムを型押しをして作られています。
ロゴが目立たないエレガントなデザインで幅広い年代に人気です。
経年による革の質感の変化を楽しめることが特徴です。コーティング加工がされていないので、雨の日の使用は避けることをおすすめします。
モノグラム・ヴェルニ
ヴェルニとはフランス語でエナメル素材のことを意味します。ヴィトンのヴェルニは、柔らかいカーフスキンにエナメル加工を施した素材です。
独特の光沢感が特徴で、鮮やかな革新的デザインが、高く評価されています。
エナメル加工によって水に対して耐性はありますが、直射日光に弱いので炎天下における長時間の使用は避けましょう。
ヴィトンのダミエの革のお手入れの方法
ダミエは耐久性が高く、本革と比べるとお手入れしやすい素材です。ただし、ダミエをお手入れする際は、香水やアルコールを含んだスプレーやクリーナーなどは使用しないでください。これらを使用すると、キャンバス地に悪影響があり、傷みが生じる可能性があります。
ヴィトンのダミエの革のお手入れ方法は以下となります。
1.表面をブラッシング
まず、ブラッシングをして埃やゴミを取り除きます。
柔らかいブラシを使用して、表面を傷つけないように優しい力加減で行いましょう。
2.中性洗剤でクリーニング
中性洗剤を薄めた水に柔らかい布を浸します。
洗剤液を軽く絞った布で、優しくパッティングするように、ダミエの汚れを落としていきます。
仕上げに乾いた布を使って、ダミエ全体の水気を取りましょう。
3.陰干しで乾かす
日の当たらない場所で陰干しをして、完全に乾かします。
ダミエが加水分解をする原因は水分です。湿気が多い場所に保管してしまうと、ベタつきが発生してしまいます。
乾燥剤をダミエの中に入れて保管し、定期的に風通しの良いところで陰干しをしてあげると、劣化を抑えることができるでしょう。
ヴィトンのヌメ革のお手入れの方法
ヌメ革は上質な素材ですが、デリケートな性質をもちます。適切に扱わないとシミやカビなどのトラブルが発生してしまうので注意が必要です。特に、ヌメ革は水分によって劣化しやすいので、雨や湿気には注意しましょう。
ここから、ヴィトンのヌメ革のお手入れポイントを紹介します。
1.使用前に日光に当てておく
ヌメ革には、日光に当たることによって変色する性質があります。
おろしたてのヌメ革をそのまま使うと色ムラが出やすいので、新品の場合は一度日光に当てておくことをおすすめします。
ただし、強い直射日光に当て続けると日焼けしすぎる可能性があるので、室内で適度な光に当てましょう。
2.デリケートクリームや防水スプレーを塗布しておく
ヌメ革を使用する前には、革用のデリケートクリームや防水スプレーで表面を保護しておきましょう。
デリケートクリームとは、革に油分や水分を補給するクリームのことで、乾燥やひび割れを防いでくれます。
防水スプレーは、シミ予防のためのお手入れアイテムです。ヌメ革は、水や雨で濡れると、簡単にシミができてしまいます。防水スプレーを塗布すると水分を弾くため、シミが発生しにくくなります。
3.使用後には乾拭きをする
ヌメ革アイテムを使用した後は、しっかり乾拭きを行って、表面についた汚れを落としましょう。
表面に付いた汚れのほとんどは、乾拭きで落とすことができます。
使用後もデリケートクリームをヌメ革に塗って水分と油分を補給すると、乾燥からくる劣化を予防できるでしょう。
ヴィトンのモノグラムの革のお手入れの方法
ここから、ヴィトンのモノグラム素材別に、お手入れ方法をチェックしていきましょう。
1:モノグラム・キャンバス
ダミエと同じくコーティングが施されている素材ため、ダミエ同様のお手入れ方法となります。
優しくブラッシングした後、中性洗剤を薄めた水で湿らせた柔らかい布で拭くと、簡単に汚れが落ちます。仕上げに、風通しの良い場所で陰干しをして乾燥させましょう。
2:モノグラム・アンプラント
アンプラントは、レザーならではの水に弱いという特徴があります。使い初める前には、革製品専用の防水スプレーをしておきましょう。
汚れてしまった場合は「ライニガースプレー」など、革製品専用の汚れ落としを使用して、優しくふき取ってください。
保管の際は通気性の良い場所を選ぶとカビの発生を防ぐことができます。
3:モノグラム・ヴェルニ
ヴェルニはエナメル素材のため、保湿クリームやオイルを塗ることは不可となります。
ヴェルニのお手入れにはエナメル専用の「ラックスプレー」がおすすめです。
ラックスプレーには、皮革の輝きを維持し、ヒビ割れを防ぐ効果があります。ヴェルニ使用後は、柔らかい布で表面の汚れを取り、ラックスプレーを使うと良いでしょう。
ヴィトン製品のお手入れ時の注意点とは?
ヴィトン製品をお手入れする際には、素材を傷めないことが重要です。お手入れを行う場合は、以下のポイントに注意しましょう。
水洗いを避ける
水洗いをすると、素材を傷めてしまう可能性があります。特に、革素材は水分に弱い性質があり、水分がシミやカビの原因になります。
どうしても汚れを落としたい場合は、軽く湿らせた布で拭く程度に留めておきましょう。
防水スプレーなどは素材に注意して使用する
製品の素材に合った、スプレーやクリームを使用しましょう。ケア用品を購入する際には、お手入れしたい製品に使用可能なものであるのか、必ず確認が必要です。
適切ではないケア用品でお手入れすると、逆にダメージを与えてしまいます。
自分でやると更に傷や汚れが悪化する場合がある
自分で汚れを落とそうとすると、さらにキズや汚れが悪化する可能性があります。すべてセルフで行うのではなく、ブランドのアフターケアサービスを利用したり、専門のクリーニング店に依頼したりすると安心です。
自分でやるヴィトンの革のリペアや修理の方法は?
ここから、ヴィトンの革の修理方法を紹介します。修理する方法によって、メリットやデメリットが変わってきますので、自分に合った修理方法を選んでみましょう。
修理の公式サービスを使用する
修理の公式サービスを使用する最大のメリットは、安心感があることです。
交換パーツは純正品であり、ブランドの価値が損なわれません。
そのため、買取店で売ることになった場合も、正規のヴィトンアイテムとして買い取ってもらえることがほとんどです。
ただし、修理の公式サービスを使用すると、修理代が高めだったり、完了までに時間がかかったりするケースがあります。
安心して修理を依頼したい方や、ブランド価値を保ちたいという方は、割高になっても公式サービスで修理してもらうのがおすすめです。
リペア専門店の利用
ブランドのバッグや財布を扱うリペア専門店を利用する方法もあります。
ショッピングモールなどに出店していることが多く、手軽に依頼できることがメリットです。
また、修理費用も抑えられて、修理完了までが早いことも魅力的なポイントといえます。
しかし、店舗によって修理の出来栄えに差が出るので、クオリティを求めるならお店選びが重要です。
さらに、修理をすると交換されるパーツがヴィトン公式のものではなくなったり、デザインが変わってしまったり可能性もあります。
ヴィトン公式以外の手が加わったとなると、買取店で売るときに大幅に査定金額が下がることもありでしょう。
そのため、売りに出すことは考えず、安くスピーディーに直したい方に適した方法といえるでしょう。
自分でリペアを実施(※おすすめできません)
最近では、革製品用のリペアキットも市販されています。軽い修理の場合は、セルフで行うことも可能です。
ただし、ヴィトンのような高級ブランドアイテムの修理は、自分で安心して行える範囲は限られています。特に、破れや糸のほつれなどは、素人が修理することは難しいでしょう。
状態を悪化させないためにも、修理の公式サービスやブランド品の修理専門店に依頼することをおすすめします。
ヴィトンの革のお手入れのコツについてまとめ
まとめ
- トアル地の「ダミエ」「モノグラム」は、中性洗剤を薄めた水で湿らせた、柔らかい布で拭く
- レザー素材には革専用のケアアイテムを使用する
- 修理するなら公式サービス・リペア専門店がおすすめ
ルイ・ヴィトンの高い品質を保つためには、使用後の適切なお手入れが重要になります。上質なヴィトンの製品は、正しい方法のお手入れや保管することで、長く使い続けることが可能です。
自分でリペアしようか迷っているヴィトンバッグは、状態によっては買取してもらえる場合もあります。
中古ブランド専門店の「ギャラリーレア」では、これまで多くのお客様に買取サービスをご利用していただいております。査定理由もお客様に丁寧に説明いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
■関連商品はこちら
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON) バッグ 一覧
ギャラリーレア店舗&オンラインストアご案内
オンラインストア
ギャラリーレア 公式通販(オンラインストア)
関西エリア
ギャラリーレア 心斎橋本店
ギャラリーレア 東心斎橋店
ギャラリーレア 梅田店(買取専門店)
ギャラリーレア なんば店(買取専門店)
ギャラリーレア 神戸元町店
中部エリア
ギャラリーレア 名古屋大須店(買取専門店)
関東エリア
ギャラリーレア 銀座本店
ギャラリーレア 青山表参道店
ギャラリーレア 小田急新宿店(買取専門店)